みなさまこんにちわ。総長のAKIRAです。なかなか面白い本が見つからないなと書店内を散策していた時に、思わず手に取り買い求めた本がありまして、この度はこの本を題材に「システム思考」について考えていきたいと思います。
社会には様々な問題が存在し、ゆえに皆で知恵をしぼるわけであります。ところが解決策だと思っていたことが、実は解決に寄与していないこと、そればかりか逆に問題を膨らませている現象が見受けられます。
例えば・・・
罰則を厳しくしても社内不正は減っていないのではないか
給与を引き上げてもモチベーション向上になっていないのではないか
という身近な問題。あるいは、
職業訓練プログラムが失業率悪化を引き起こしている
麻薬取り締まり強化によって麻薬犯罪が増加している
死刑制度や厳しい刑罰を続けても凶悪犯は減らない
食糧援助が飢餓増加の原因になっている
という社会問題まで様々あります。
「社会変革のためのシステム思考実践ガイド」(英治出版)という本の中で著者のディビッド・ピーター・ストロー氏は、複雑な問題の本質に対するアプローチ方法について説いています。そのアプローチとして必要なのが、従来の思考方法と一線を画す「システム思考」というわけです。
もちろんシステム思考を身につければ今すぐ問題解決、というほどコトは単純ではないでしょう。しかし今までの考え方に限界を感じ、ちょっと立ち止まってみて問題を見つめ直す時に、著者の提言がとても役立つのではないかと思うのです。
著者ストロー氏は「従来の考え方」と「システム思考」を区別するために下記の例を挙げて説明をしています。
従来の思考法
「因果関係が明白で簡単に原因をたどることができる」
システム思考
「因果関係とは間接的なものであり、明白にできるものではない」
従来の思考法
「問題は組織内外にいる他社のせいであり、変わるべきはその他者である」
システム思考
「私たちは無意識のうちに自分たち自身の問題を生み出しており、自分たちの挙動を変えることで問題解決の手綱を握ったり影響を及ぼしたりできる。」
従来の思考法
「全体を最適化するためには、部分を最適化しなければならない」
システム思考
「全体を最適化するためには、部分と部分の関係を改善しなければならない」
従来の思考法
「短期的な成功を得るために設計された施策は、長期的な成功も約束する」
システム思考
「応急措置はたいてい予期せぬ結果や副作用をもたらす。長期的には何も変わらないか、むしろ自体は悪化する」
特に私がドキッとしたのは、3番目と4番目であります。最近身の回りで起きていた問題に行き詰まった感があったためです。
著者が言うように、その解決策が問題を悪化させているのでは!?と疑ってみてはいかがでしょうか。
おわり